縮毛矯正はなぜ難しい?縮毛矯正の先生が教える技術の中身
「縮毛矯正なんて、どこの美容室でもやってるでしょ?」
そう思われている方、実はすごく多いんです。
結論から言うと、縮毛矯正はめちゃくちゃ難しい技術です。
くせの見極め・薬剤の選び方・アイロンの扱い方を、一人ひとり違う髪に合わせて、ほぼやり直しのきかない一発勝負で決めていく施術だからです。
この記事では、その「難しさの中身」を美容師の側から分かりやすくお話しします。
こんにちは!
くせ毛専門美容師として40,000人以上のくせ毛さんと向き合ってきた【くせ毛マイスターのっち】(野坂信二)です。
東京表参道をメインに、月に3、4日ほど大阪梅田でくせ毛専門美容師(日本初のくせ毛悩み専門・歴13年以上)として活動し、美容師向け縮毛矯正セミナーの講師や、ヘアケア商品の開発も手がけています。
僕についてもっと詳しく知りたい方は、プロフィールをご覧ください。


縮毛矯正って、どこの美容室でやっても同じじゃないの?

教える側になっても、毎回「難しいな」と思っています。笑
縮毛矯正はなぜ難しいの?
縮毛矯正が難しいのは、「髪を見て判断すること」の量が多く、しかも判断を外すと後から戻せないからです。
手順そのものは覚えられても、その手順を目の前の髪に合わせる判断は、マニュアルにしにくいんです。
僕は日々くせ毛を活かすカットと縮毛矯正をたくさんしていて、美容師の傍ら、400名を越える美容師さんへの縮毛矯正の先生もしています。
それでもやっぱり思うのが「縮毛矯正ってめちゃムズイ。」です。笑
ほとんどの美容室が縮毛矯正の看板を掲げているから、側から見たら「全然難しくはない」「やれて当然」と思われている方が多いですが、もう全然です。

手順は覚えられても、判断はマニュアルにできない。ここが一番ムズイところです。
縮毛矯正の難しさはどこにある?施術の流れで見る判断の数
縮毛矯正は、工程ごとに美容師が決めなければいけないことがあり、そのどれか一つでも外れると仕上がりに出ます。
ざっくり流れで並べると、こんな感じです。
| 工程 | 美容師が決めること | 外れるとどうなりやすいか |
|---|---|---|
| カウンセリング・診断 | くせの種類と強さ、髪の太さや硬さ、これまでの施術の履歴 | すべての判断の前提がずれる |
| 薬剤を選ぶ・塗る | どの強さの薬を、髪のどの部分に、どれくらいの時間おくか | 強すぎるとチリつき、弱すぎると伸びきらない |
| 薬を流して乾かす | どこまで乾かすか、どう乾かすか | アイロンの熱の入り方がばらつく |
| アイロン | 温度、挟む力、引っ張る角度、通す回数 | ピンピンで不自然、熱による傷み |
| 仕上げ | 髪の状態を落ち着かせる処理、収まりの確認 | 持ちや手触りに差が出る |
ひとつひとつは「当たり前」に見えるかもしれません。
でも、この全部をその人の髪に合わせて決める必要があります。
同じ手順で全員に同じことをすれば上手くいく施術ではない、というのが一番の難しさです。
失敗したときに具体的に何が起きているのかは、縮毛矯正で失敗する原因7つ|チリチリ・不自然になる本当の理由で詳しくまとめています。

どの工程も外せない。だから「一発勝負」なんです。
くせの見極めが難しいのはなぜ?
くせの見極めが難しいのは、一人の頭の中に、状態の違う髪が何種類も混ざっているからです。
たとえば同じ一人の髪でも、こんな違いがあります。
- 根元:まだ何もしていない新しい髪
- 中間〜毛先:前回の縮毛矯正やカラーの影響が残っている髪
- 表面と内側:くせの出方や強さが違うことがある
- 顔まわりや襟足:ほかの部分とくせの種類が違うことが多い
しかも、お客さん自身が覚えている履歴は、時期がずれていたり抜けていたりするのが普通です。
だから美容師は、話を聞くだけでなく、見て、触って、さまざまな可能性を考えながら髪の状態をつかむ必要があります。
顔まわりは生えぐせの影響も強く、特にくせの出方が独特で、仕上がりも目立つ場所です。
気になる方は顔まわりの縮毛矯正は要注意?失敗しやすい理由と後悔しない考え方も参考にしてみてください。

お客さんの記憶の履歴は、ずれていて当たり前。だから見て触って確かめます。
薬剤とアイロンは、なぜやり直しがきかないの?
縮毛矯正は一度かかった部分を元のくせ毛に戻すことができない施術です。
だから薬剤の強さもアイロンの入れ方も、基本は「決め打ち」になります。
薬剤は、強すぎれば髪に負担がかかり、弱すぎればくせが伸びきりません。
しかも先ほどの通り、髪の部分ごとに状態が違うので、一本の薬で全部を同じように扱えるとは限りません。
アイロンも同じです。
温度が高すぎたり、強く挟んだり、何度も通したりすると、不自然にまっすぐになったり、熱による傷みにつながります。
逆に、薬剤の選定がうまくいっていても、アイロンの扱いが合っていなければ仕上がりは崩れます。
薬剤とアイロンは、どちらか片方だけ上手でも足りないんです。
「やってみて、ダメならもう一回」がしにくい。
ここが、カットやカラーとは違う縮毛矯正ならではの怖さだと僕は思っています。

かかった部分は戻せない。だから僕は、迷ったら弱めから考えます。
どこの美容室にも縮毛矯正があるのに、なぜ差が出るの?
差が出るのは、メニューに「縮毛矯正」と書いてあることと、その美容師さんが難しい判断を積み重ねてきたかどうかは、別の話だからです。
縮毛矯正は、くせ毛の人がたくさん来るかどうかで、経験の量に大きな差が出やすい技術です。
そして判断の多くは、髪を見て触った感覚と経験に頼る部分が大きく、手順書だけでは身につきにくい。
美容師さんに教えていても、縮毛矯正に苦手意識を持っている方は本当に多いです。
お客さんの側から見ると、同じ「縮毛矯正」という名前でも、中身はまるっきり違うことがある。
そう思っておいてもらうのが一番安全です。
では、どうやって美容師さんを選べばいいのか。
それは失敗しない縮毛矯正は美容師選びが一番大切な理由にまとめているので、合わせて読んでみてください。

看板に「縮毛矯正」とあるのと、得意かどうかは別の話です。
1回の縮毛矯正は、どのくらい先まで影響する?
縮毛矯正は、ロングヘアであれば3〜4年は施術のクオリティをひっぱります。良くも悪くもね。
縮毛矯正をかけた部分は、基本的にそのままストレートの状態が続きます。
髪は根元から伸びていくので、肩より長い髪の毛先は、何年も前にかけた縮毛矯正の部分ということになります。
- 上手くかかった縮毛矯正:毛先まで扱いやすい状態が、伸びるまで続く
- 合っていなかった縮毛矯正:チリつきや不自然なまっすぐさが、切るまで残る
つまり1回の縮毛矯正は「その日の仕上がり」だけの話ではなく、この先何年かの髪を決める選択なんです。
だからこそ、縮毛矯正の美容師さん選びは適当はダメですよ。これはマジで言い切れます。

ロングなら3〜4年ひっぱる。だから「誰にかけてもらうか」が大事なんです。
よくある質問
縮毛矯正はどこの美容室でやっても同じですか?
同じではありません。縮毛矯正はくせの見極め・薬剤・アイロンなど、美容師さんの判断で決まる部分が多い施術です。同じメニュー名でも、仕上がりや持ちに差が出ることは珍しくありません。
縮毛矯正で失敗したら、すぐやり直せますか?
一度かかった部分を元に戻すことはできず、重ねてかけると髪への負担も大きくなります。すぐにかけ直すかどうかは、髪の状態をよく見てから慎重に決める必要があります。まずは今の状態を相談してみてください。
縮毛矯正が上手な美容師さんの見分け方はありますか?
メニューに縮毛矯正があるかどうかではなく、くせ毛のお客さんをどれだけ担当しているか、カウンセリングで髪の履歴や状態をていねいに聞いてくれるかが目安になります。詳しくは美容師選びの記事でまとめています。
どうして縮毛矯正は美容師でも難しいと言われるのですか?
一人の髪の中に状態の違う部分が混ざっていて、それを見極めたうえで、やり直しのきかない判断を何度も重ねる必要があるからです。手順を覚えるだけでは身につかない部分が大きい技術です。
まとめ
- 縮毛矯正は、くせの見極め・薬剤・アイロンの判断が多く、しかもやり直しがききにくい技術
- 一人の髪の中にも、状態の違う部分がいくつも混ざっている
- メニューに縮毛矯正があっても、中身や仕上がりは美容師さんによってまるっきり違う
- ロングヘアなら3〜4年は、その1回のクオリティをひっぱる

縮毛矯正は、値段より「誰にお願いするか」で選んでほしいです。
縮毛矯正は「どこでもやってる、簡単な施術」ではありません。だからこそ、誰にお願いするかを大切にしてほしいと思っています。
あなたの髪だとどうなる?は、LINEで気軽に聞いてください。今の髪の状態や、これまでの施術のことを教えてもらえれば、一緒に考えます。










